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悪魔の巣 [番外編]

此方は浅海由梨奈さんのみ、お持ち帰り・転載可能です。



ロスト

登場人物:ロリコン 黄泉坂の子
現在より7~8年前の物語
まだ異端審問官と淫魔が通じていなかった頃の話
(痛い)
(一応はエロ)








ロスト



昨日、小さな口でモノをいっぱいに頬張って奉仕してくれたあの子はこの場所を嘗めて、ふやけた所を強く擦ると震えて声を上げた。くじるように指を動かしても、感じるのはただ肉を指が押しのける感触だけ、粘膜の熱さが指に伝わって不快なだけ。
自分の体にはクリトリスなんて可愛い物はない。誰かがしていたのを見たまま、手で握りこんで掻く。割と使い込んだ方だ、挿入に到らないことの方が多かった気はするが、必ず最後は頂いていた。どうせ少女期を過ぎれば忘れる、化け物を見る目で自分を見て、この表情一つ作れない顔を嘲う。まったくだ、何て醜い化け物だろう、殺す、死んでしまえ。
手首を握って上下に動かした方がまだマシな感覚なのではないだろうか、力を失ったままぐったり芯を持つ気配のないそれは、自分の体だというのに海鼠か何かを彷彿とさせられて気色が悪い。抉るように女の方に這わせた指を大きくナカに入れて、酷い異物感に吐き気がした。
今どんな顔をしている。きっとおぞましいに違いない。大の大人が体を丸めて必死になって反応する訳が無い自分の性器を嬲るなんて、そんな馬鹿げた光景、仮に自分ならそいつを殺す。勿論、自分自身なのだから腹立たしい。医学書はビッチのクソババアだ、愛液ってのが防護の為に出んだったら、何で何時まで経っても露出した下半身から濡れた音がしない。
畜生。もっと根性入れろよバルトリン腺とスキーン腺、ついでに今回はどうでもいいがカウパー腺も気休めにはなるから。折角人が届かない思いを乗せて自慰行為なんかしてるのに、これじゃなんの格好もつかないな、指を二本に増やして深く入れて中で開く。腹の中に空気でも溜まったみたいだ。
痛い、硬くなった体でこんなに体を縮こまらせているからこんなことになる、背骨が背筋の皮を破って出て行く妄想ならデスクで間に合ってる。背中が痛いというば、あの時だって痛かったな、背中。ざりざりの床の上に何も敷かないで、壁に凭れ掛かって座るみたいな格好で、その癖あいつは服脱いでないんだもんな。
っても、下半身しか着てないが、背中が擦り傷だらけってのは帰った後の風呂とか辛かった。キスマークの一つも付けられてないってのに、何処のSM帰りだよ。機械的に動かす手を止めて、もういっそ前は諦める。いいんだ、いいんだよ、これは幼女用でいいよもう。ラクにした手を見たら爪が伸びてて、後でまた切らないといけないことがムカつく、内臓を弄ってた方を強く粘膜に突き立てた。
ぎちぎち嫌な音がしそうだ、裂かれる目の前が眩む、構わずに力を入れ続けて三本目は最初から刃の形にして擦る。自分の爪は薄くて硬い、痛みの後に一瞬患部が痺れてくる、少し経つと痺れが途切れて、爪に熱が食い込んだ感触と共に、関を切ったかのようにどっと針を刺すような痛みが下半身から溢れ出て透明じゃない体液がぬめった。
へっ、ざまぁみろ。貫いた部分を指が掠めると、染みる痛みに生理的に指を引き抜かなくてはいけない気がしてきたが、ぐっ、と息を呑んでもっともっと奥へ進める。ぐしゅ、ぐじゅ、ぎじゅ、と腐った果物を握り潰した時みたいな音だと思って、もっと指を動かすと涙が出てきた。あの時だって滅茶苦茶痛かったんだ、今回だけ痛くないなんて、虫が良すぎるよなぁ。
職業柄良く知ったにおいだ、鉄錆に似たべったりしたそれは別に平気だが、何処から出ているかが問題だ。あの日を思い出すならもう一度してみようか、貧相で男の物と大して変わらない胸を削ぐように掴んで、乳首を捏ね回す。貧乳は最高だが幼女の鳴き声で鳴かない貧乳は滅びてしまえばいい。
どうせ誰も見ていないのだから、そこにいない誰かを誘うみたいに股を大きく割って、両足を大きく広げた。濡れた音がする場所がずきずき痛んで、膝裏に真っ赤な体液がべったり蛞蝓が這ったみたいな跡を付けて、ぬらぬら落ちてゆく。別の物が混じっている、やっとやる気を出したか膣分泌液、なら少しは気持ち良くしてくれ。
手の平が生理に気が付かないで寝た翌朝のシーツみたいだ。試しにそれっぽい声出して煽ってみた、きもいな、存在がキモい。下半身ずっと出しっ放しだからいい加減寒くなって乳首立ってきた、あの下手糞、どれだけ手管を真似てもヨクなんてならないぞ。畜生。
ああ、そういや感じないのはあの時も同じだ、だったら感じなくて当たり前だよな。もうメンドクサイ、自慰行為で面倒とかどうなのよ。何で濡れてるとかそういうの関係無しに、とりあえず何か濡れてるだけ前と違う、あん時は酷かったな、全然濡れてなかったし、心の準備とかある訳なかったし、滅茶苦茶痛かった。
前戯は終わりだ。でかいし太いし、パールとかくっついてるけど、昨日あの子に挿れた時は大変な事にならなかったから平気だろ、枕元に置いておいたバイブを宛がって、押し込む。痛い、染みる痛みじゃなくて、もっと明確に抉る痛み。そういえばこんな奥まで突っ込むのはこれで二度目か、骨盤が軋む、嫌な音は本物になってやがる。傷付いた内臓の中をモゾモゾ動かれるだなんて、何処のB級映画の設定だろう。
開いた脚の間に目をやると、意気地無しにも程がある体は奥の奥までそれを咥え込もうとはせず、今やっとカリ首が入り口に頭を突っ込んだ所だ。入り口をうろつかせているだけだというのに、寒気そっくりな嫌悪感がぞわぞわ背筋を登って、これが快感なんだと何度か自分に言い聞かせた、当然無駄に終わる。
もういい、いっそ殺せ。体に力が入ってるとか、そんなん構わずに今度こそ、酷い圧迫感に喘ぐ部分を意識して力任せに引き裂いた。我ながら凄い絶叫。まだ全部収まってない、太い括れの部分を通過させようと咆哮に似た声を上げながら腕を動かすと、ぎちぎちとした感覚が若干緩くなって、鋭いそれが痛覚を焼いた。めりめり、だってさ。
脚が好き勝手な方向に逃げようとしてしまう。息を整えようと反射的に仰け反った体をいなす、伝う生温い液体がどっと増えて落ちてきて、裂けたのだと解った。体が真っ二つにしちまったのかと思ったよ。首筋を生暖かい物が伝う、汗か、こっちも何処か裂けたのか、額にべったり張り付いた前髪が鬱陶しい。
ずるずる、とゆっくり引き抜いて、杭を打ち込むかのように中にまた埋める。大分すべりが良くなってなんとかなってるが、最初に手元で見た時より、体内にある分は五割増デカく感じた。そういやこれ、何時になったら終わるんだろ、普通はイッたらお終いなんだからこの場合は終わりなんてない。いっそ出血多量死したら終わり? 半日はいるな。
あいつ反応が無いって言ってるのに押し倒した上、文句言いながら最後までヤッたからな、ぐったりレイプ目になってる処女喰ってナマ中出しとかどんだけだ。腰掴んで限界まで奥に挿れて、あっつい精液をあんな量どくどく出されたもんだから、本気でお前に孕まされたかと思った。
孕まされたと思い込んだ時は双子孕んでるつもりだったっけ、ほら、周りがぽろぽろ産む体質のやつばっかだったから。バイブのスイッチを弄るのも億劫で、目盛を一気に最強まで引き上げる。今度はバイブが滑って逃げようとしたから、手で出し入れするついでに限界以上に突き刺した。ごりごり、体が跳ねる、体の中で確かに音が。これちゃんと抜く時、抜けるかな、子供が出るんだから平気かな。
膣は抵抗する気を失ったらしい、もうただ痛いだけだ、痛みも引き攣れるような感覚に変わって久しいが。つくづく痛みに強い体ってのはこういう時に不便だ、サッサと痛みに耐え切れなくなって止めちまえばいいのに、我慢出来ちゃうんだよ。ぶちゅぶちゅ愛液より硬い音は、長い間空気に晒されて乾きはじめた血の滑り、へばりついたそれが更に突き刺さる。
何時まで経ってもじわじわ血が滲む。震えるものがぶちぶちいってた奥から更に固まりの血を掻き出す。一応はもう処女じゃないんだけどな、お前が掻っ攫ってった所為でさ、もしかして本当は妄想だったのかな。全部。お前が抱きたいって言ってきたことも、痛みも、苦しみも、お前の指を振り払ったことも、お前が背を見て安堵してたのを知ってたことも、何もかもうちの奴等にお決まりの妄想。
じゃあ自分は犯されてるのか、今、これが初めてか。なら悲しいな、これでもお前に女にされたのは嬉しかったんだ。見てくれよこんなぐちゃぐちゃになった今の姿を。お前は何て言う? きっと馬鹿って言うんだろうな、いいよ、言ってくれよ、殴っても蹴ってもいい、手足の一本や二本くれてやってもいい、酷くしていいから、犯して何人でも孕ませて何人でも産ませてくれよ。本当に嬉しかった、何もかも、人生で一番幸せだったのはきっとあの日だ。
きっとこれから先、お前の子供を産んであの薄暗い場所で一生暮らすんだろうな、って覚悟を決めてた。同じ時間を生きる為に体を変えて、初めて鏡を見た時、お前が殺しに来てくれることを望んだよ。酷い夢だよな、お前もこんな夢見られて良い迷惑だ、こんな浅ましい化け物に。畜生、畜生、ちきしょう。

でていけ

でていけよ

出ていけ!
その場所に潜り込んで良いのはあいつだけだ!
俺のことを痛めつけて良いのはあいつだけなんだ!!

殺す!
殺してやる!!

磔刑だ!!

死ね

死んでしまえ!!!

「……けて」

殺してくれ
痛い
苦しい
悲しい
辛い

たすけて

「おれをころしてくれ、メルヒオル…………!」

脳より深い何処か遥い場所で、何かが壊れて崩れ行く、恐ろしげな音が響いた気がした。
とうとう頬に汁が伝うことはなかったけど。








彼の浮上した意識の傍らにあったのは随分低い目線のさらさらの灰色をした髪、垂れ目で温和な雰囲気のある一見すれば好意的で愛らしく、好ましい容貌は、全裸にピンクのリボンを巻いただけ、という格好で一気にチャイルドポルノ映画を髣髴とさせる有り様に変わっている。ゆったり足を組み、見ている本は獣姦モノの無修正写真集。体を動かそうとするとぎしぎしベッドが軋んで、彼の目が覚めたことを知った金色の目は、先程までのだらけた様子が嘘のように患者を見る目に変わった。
下腹部の酷い痛みに顔を顰めた彼に自業自得だ、と説教じみたことをぶちぶち垂れながら、自虐オナニーをする気なら自分にも言ってくれ、と非常に医者として意味不明な言葉が混じる。それでもテキパキとして意識を失っている間に何があったのか、点滴を何を打ったか、出血多量には遠いが血液が必要なので食事のメニューを操作すべきだということ、念の為今日一日は養生していることを医者としての立場を使った絶対的な言葉で命じると、ただの子供の表情に戻って辛そうに眉を下げ目を細める。
丸一日の休業でどれだけの仕事が溜まるのか、目を逸らして考えに耽っていた彼は瞼を閉じて俯き、組んだ指に付いた目に見えない感触を思い出す。痛みは我慢出来る、それでも自傷とはいえ、家族が傷付いて辛くない訳が無い。養生の件に関しては文句を言おうとしていた彼は、空気を読んでこの場は引き下がる事にした。
「……自分達、一体このまま何処へ行くんだろうね」
「さぁ、当方に解る訳無い……でもきっと地獄じゃないよ」
声変わりもしていない幼すぎる声。伏せていた眼を見開いて、一瞬だけ泣き出しそうになった金色の瞳、助けを求めるような弱々しい声色で、迷い、相手が理解していることが解ってあえて黙った彼の唇の動きに合わせて声を出す。目覚める前は粘膜を抉る程鋭かった爪は綺麗に切られていて、どうやら爪切りで切ったものではなく、鑢でゆっくり削って丸く纏められたらしい。もう自分を傷付けることが出来ないように。
「『たった今、そこから来たばかり』だから?」
今でさえこんなに苦しいのに、やっと這い出た地獄から、地獄よりもっと酷い場所へずぶすぶ堕ちてゆく。覚悟さえも出来ない苦しみに身構える様子は、彼からすればとても人間じみていて、あまりに多くを失った身としては好ましい物だったけど。子供の様な表情と子供の様な反応、「まだ子供だった」という発想はこの二人にはもう遠い世界の話、少し考えた彼はすっかり丸くなった手をぷらぷら動かした。真意を読んだ灰色の髪をくしゃくしゃ撫でて、灰色が指から抜ける。
「本物の悪魔の巣、見てこいよ」
紙とペンを持って来い。彼は二点が欲しくなると言葉には出さず、何時もこんな仕草をするのだ、無視されたり相手が察せなかったりすると途端に不機嫌になって、それが自分より明らかに権力の無い相手なら酷い癇癪を起こしたりした。灰色の髪の上、立ち上がった寝癖をひよひよ動かしながら万年筆とメモ帖、それから下敷きにして平気そうな本を一冊纏めて渡され、彼は手早く白紙の紙に線を描き始めた。

何十年、瞼の裏で変わらずに覚え続け、夢想し続けたその場所を。
お前が確かめてきてくれ。
あの場所は現実だったのだと、壊れ行く自分の心を守る為、痛みより早く逃げ延びる為に。
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