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空の色 [番外編]

此方は浅海由梨奈さんのみ、お持ち帰り・転載可能です。



由梨奈さんへ、愛を篭めて誕生日プレゼントvV
北風と太陽

R-14

登場人物:メルヒオル バルベル ロリコン
(ちょっと痛い)
(まったくエロくない)
(愛!!!)









北風バルベルと太陽メルヒオル
旅人ロリコンのコートを脱がせる事が出来るのはどちらなのやら。


北風と太陽


額に脂汗が滲み、食い絞められた口元からもれるそれは、ただ純粋に内臓を弄りまわされることへの、苦悶の声。バルベルの持つ人外の色をした長く細い指が、当初は固く閉じられていた粘膜をゆるゆる擦り上げ、容赦無く擦られすぎたそこは、今は使われた潤滑油によってぬめり、熱く火照って腫れてしまっている。
弄っていた場所を解し終えたら更に奥へと突き入れ、異物を外へ排泄しようとする収縮に、外部からの強い力を見せ付けるように指で弱らせ、暴く。四つん這いになって指の与える苦痛に翻弄される彼は、両手指と膝を突いた両足の指をぎゅう、と握り、目の前にあるメルヒオルの太腿に顔を埋める。桃色の髪がばらり、と束で崩れて、青い指がそれを撫でた。
逞しい筋肉の流れを辿れば、あるのは幾度と無く彼の胎内を嬲り、支配したメルヒオルのものが確かな芯を持ってそそり立つ。濃い雄のにおいに息を飲んで、彼はそれを自分に許された唯一の慰めとばかりに咥える。自分からのめり込んで行くよう、舐め上げ、撫で擦り、十字の瞳に映るのは先程と打って変わって欲情ののドロリと溶けた色。
ぐちゅ、と中で弾かれた指が押し潰す水音を立て、その色は苦悶と変わる。それでも、彼はやっと与えられた唯一の慰めに歯を立ててしまわないよう、舌を皮膚と歯の間に強く押し当てた。まるで子供の様に染み一つ無い背が、まるで水に上げられた魚の様にびくり、と震える。指を引き抜いてバルベルが白い皮膚に触れると、体内から引き出された透明な液が糸を引き、その下でどくどく赤い血液が流れて居る事が触れて取れた。
「幸せそうな顔しやがって」
喉奥まで咥え込んで奉仕をする彼の頭を掴み、頬をごりごりと指で痛い程押すと、夢中になっていた口を止め、上目遣いにメルヒオルを見る。ちろちろと苦痛と情欲に色を変えるそれは、まるで消えかけた蝋燭の様で。また腸壁を爪でくじられる、と手の平が背を下ってゆくこどに、生理的な怯えによって跳ねる背をバルベルはかわいらしく思う。足の間のものは、完全に萎えてこそいないが勃ち上がるまでにいかず、女の部分から垂れた体液でてらてらぬめる。
二人への反応の差、何と言う事はない、バルベルは彼に幻術を与えず、メルヒオルは幻術を与えただけ。幻術によって欲情を催され、メルヒオルのものを咥えた興奮によって半勃ちの彼のそこを、バルベルは握り込み、搾る様に手指を動かす。男性としての急所を手に収められ、紫の眼から怯えの涙が頬に伝う、激しい動きで本来感じられる筈の快楽は無く、ただ鈍い痛みが彼のそこを支配していた。
何も二人は、愛しい彼に歪んだ愛を押し付けている訳ではなく、全てはこの通常子供にしか欲情出来ないという、呪われた性を持った彼の望みだった。二人で抱いてくれ、ただしバルベルは幻術を使わずに。そう約束させたのは他でもない彼自身で、気遣って指を抜こうとすると、精一杯の力を篭めて指を引きとめ、不快感に喘ぐ。
「ぃ、れて……」
「でも……そんなに辛そうだけど、本当に良いの?」
これからくる挿入の衝撃から逃避するように、彼は口淫に没頭しようと、頭を上下させる。高く上げられ、受け入れやすい体勢になった尻は、一見すれば淫乱に見えるが、支える膝裏は震え、慣れた相手からは作り物だと直ぐに解ってしまうぎこちない誘う動きは、精を食うことも、未だ快楽を感じることも出来ないというのに抱いてくれたバルベルに対しての、せめてもの奉仕。
根元に指を通せば酷く汗ばんでいることが解る長い髪、慈しむようにメルヒオルはそれを撫で、必死の要求に応えないまま赤く腫れたそこを指で広げ、間を置く筈が事態を悪化させるバルベルに対して、挿れてやれと目配せをした。くぱ、と中で広げられた指、熱く熱されて溶けた場所に冷たい外気が入り込んできた感覚に、全身を支える腕ががくがく折れそうになる。
背に押し当てられた唇、両手で割り開くように掴まれた痛みに、遂に入ってくるのだと、メルヒオルの太腿に置かれた指に力が篭った。鏃の形をした尾の先がひくひくと弱りきり収縮する、長い時間解されすぎて開ききったまま口へ押し当てられ、反射的に体を逃がそうとしてしまう彼の腰をバルベルは掴む。髪ごと掴まれた頭が強くそこへ押し当てられ、喉奥を突かれた彼に悲鳴は無かったが、ずぶすぶ長いものが埋まってゆく感触に、肩が震える。
こつり、と限界に到達した感触、これ以上の侵略は無いのだと安堵した途端、男のものではありえない位置へとなお侵略と続ける尾に、彼は何度も首をを振ろうとして髪を引かれた。実際に経った時間はほんの十数秒だったかもしれない、だが無防備な内臓の、それも挿入される準備もされていなかった深部へと入って来られた彼にとって、それは永遠ともとれる時間で。
閉じられた眦に睫毛を伝って涙と汗が筋になって落ちる。もう自力で体を支えることすら辛そうな更に限界の限界へと到達したことを知らせるように、熱く滾った肉の中で鏃の先が折られた。狭すぎる箇所に動きを制限される尾先、ぎゅうぎゅう締め付けられる快感、長く敏感な尾を彼の体内に全て収めきったという実感に、バルベルは思わず口端を上げる。
「よしよし、とーっても気持ち良い。よく頑張ってくれたわ……v」
この中に自分の尾が全て入っているのだ、と教え込む意味も篭めて腹に手を這わせながら、労る為にそこを摩った。涙を流しながらはあ、はあ、と荒い息を吐く彼は、その労りの言葉に応えるよう、薄っすらと目を明け目元だけで微笑む。留守になった口元に奉仕を促すよう、メルヒオルは彼の喉奥を突く。のろのろと再開された奉仕、物足りないそれにもどかしさを感じ、ずるりと完全に勃起したものが口内から引き摺り出された。
目の前にそそり立つものに対して、せめて自分が付けた唾液だけでも拭き取ろうと、舌が這う。快楽を求めてぐちぐちと体内で動かされる尾、震える舌と寄せられた眉根が痛々しく、先程まで声を抑えていたものが外され、あまりにも深くから内臓を掻き混ぜられる不快感に、彼は悲鳴を上げまいと奉仕を止め、自分の口を自分の手で塞ぐ。メルヒオルはこの表情を知っている、彼と、本当に初めて体を重ねた時の、思い出したくも無いあの表情。
「バルベル、そいつの体を持ち上げろ」
性感を貪る律動を止めたバルベルは、真剣な調子で此方を見ているメルヒオルの様子に、何をしようとしているのかは解らなかったが悪い様にはならないだろう、そう思って言われた通り彼の腋に腕を入れ、体を引き上げた。人間の弱力ではとても出来ないところだが、彼女は淫魔、その細腕では考えられない程の強力を持つ。膝に乗せられるような形になり、急に自重で結合が深くなった上、内臓を持ち上げられるようなそれに、彼は確かな恐怖の声を上げてもがく。
腋を抑える腕が体全体を抱き抑え、抵抗が止む頃になると、開かれた足の間の向こうに見えるメルヒオルものに、彼は空いたままだった自分の女の部分にそれを押し込まれる快感を錯覚した。じわりとメルヒオルがにじり寄る、それだけで触ってもいない場所から、とろとろ透明な体液が零れ出る。後ろで感じている彼女のものは苦痛しか感じれないというのに、メルヒオルのものはそれだけで感じる、幻術を使われているから。
それでも彼はバルベルに幻術を使われることを拒否した、幻術は欲情を誘う半面、相手に自分の持つ理想の姿を投影してしまう。抱かれる理想は愛するメルヒオル、抱く理想は小さな少女、バルベルの姿は何処にもない。完全に勃起したものの切っ先が、すっかり充血して濡れそぼった箇所に押し当てられ、白い太腿が開かれたままの形で掴まれた。穴を確かめるようにこすり付けられるそこを、蝋燭の炎の様にちろちろと苦痛と快楽に色を変える紫の瞳が見ている。
「あ、あ、ふぁー…俺、さん、にん……っ、で、セックスしてるんだぁ……」
今も苦痛を受けているというのに、まるで心から安らいだような表情が愛しく感じられ、バルベルは涙で湿った頬を掴み、顔を此方に向けさせ薄っすら開いた唇を奪う。歯列をなぞられる動きに不快感は無い、返される舌を舌で掴み、唾液を混ぜ合う。当初はたったこれだけでも彼は酷い苦痛を覚え、触覚器官から遠い場所から慣らしていった。現に突かれた場所以外、彼はバルベルに触れられて不快な場所は無い。前は他人に地肌を触れられるだけで眉を顰めたというのに。
尾が体内でそれだけが分裂した生命のように蠢く。何時か本当に快楽を共有し合うことが出来るかもしれない、淡い期待。遂に追い詰めるようにぴたり、と穴に合わさったそれが、焦らすようゆっくりと侵入してくる。烈火の様に激しい快感、濁っていた瞳に精の色が輝き、明けていられなくなった瞼が閉じられた。中程まで入れ、彼の限界を悟り畳み掛けるように一気に腰を推し進める。
その瞬間、鋭い嬌声がバルベルの口内に吸い込まれ、まるで鞭打たれた獣の様に彼の体が跳ねた。びくびくと長い余韻を持って震える腹、引き攣る太腿、強すぎる締め付けに危うく挿れた瞬間持っていかれそうになったメルヒオルは、突然のそれに同じくイかされそうになって驚いた風でいながら、唇を外し、細い息をする彼の髪を慈しみながら撫でる。可愛らしいことに、待ち侘び過ぎた性感を堪えられなかった彼は、根元まで挿入された瞬間イッてしまったらしい。
「よかった、あたしと繋がっててもちゃんとイけるようになったのねv」
「おら、惚けた顔してねぇで気をしっかり持て……こっからが本番だ」
心の混ざる瞬間が目に見えないからこそ、そうして一つになれる瞬間が見て取れるセックスが、どうしてもしたかった。精液を搾る為の痙攣に、メルヒオルは誘われるまま腰を使い始め、余韻に浸っていたイッたばかりの体に強すぎる快感は、高い嬌声となって彼の口から引き出される。丸まった足の指がかわいらしい、がくがく揺さぶられながら、喉を反らせて必死で息をしようとする彼の喉元に、バルベルはキスをする。
目に見えない物だけを信じれる人間が居たとするのなら、それから見ればこの姿は随分と滑稽で、馬鹿馬鹿しいものかもしれない、それでも、そんなことはどうだっていい。手前からはメルヒオルが、後ろからはバルベルが、自分の快感の為に自分本位に動き始め、不快感と快感、どちらのもとても強すぎるそれに、全て混ざり合った感覚が彼を嵐のように攫う。
セックスはその場にいる愛する者同士、愛し合おうとする者同士がすること、この場に居ず共有する物を持たない者に口を出す資格はない。この場にはメルヒオルが居て、バルベルが居て、彼が居た。快感を、不快感を、肉体を通して共有し合い、交わり、泣き、笑い、交わる。そこに欠けた物はあったかもしれない、足りないものは数多かっただろう、それでも、これは確かにセックスだった。
首筋へのキスに、体がぶるりと震えた。快楽と、不快感と、快感と、苦痛、全ての交じり合った紫の瞳が閉じられ、眦から落ちた涙が首筋を伝い、バルベルはそれをそっと舐め取った。覗き込む色にメルヒオルは密かに安堵する、これは確かに交じり合っていると、あの日と同じ自分だけが一人昂ぶるのでなく、セックスをしているのだと。首筋に唇を落とされ、舌を這わされるそれ、彼がどの感覚で震えたのか、もう彼自身にすら解らなく、ただ黙って全てに濁りきった瞳を同じ様に熱く濁った瞳へ向ける。

身を切る北風も、優しく包む太陽も、どちらも愛すべき自由の色。
この時、彼らは確かに幸福を手にしていた。
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