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捧げ物SS:今度ははじめてをあげる日 [日常編]

此方は浅海由梨奈さんのみ、お持ち帰り・転載可能です。



由梨奈さんへ、ホワイトデーSS
つがいのいのち

登場人物:バルドゥイン 記憶の子
(誰かが誰かにハジメテをあげちゃう話、の並行世界的続き)
(いれてない)
(でもだす)







貴方は、とっても優しいね


つがいのいのち


ベッドに足を投げ出し、後ろから抱きすくめながら下ろされた髪を口で掻き分け、白い項に青い舌が這い、彼の体が唾液で湿った皮膚に吹き掛かる外気よりも熱い吐息に震えた。獣の親が子にするよう、やわやわ歯を立てて刺激してやると、何者かに嬲られる悦びに噛み破ってくれといわんばかりに肌が薄赤く色付く。喰らうのはまだだ、と言う風にバルドゥインはまた、汗の滲むそこへ息を吹きかけた。
桜貝のような爪が並ぶ白い足、たまらない、と突っ張って布団を蹴り出し、声を上げないよう必死で歯を食い絞めているが、多淫で淫奔な体は本人の意思と関係無く快楽を拾い、まるで差し出すように嬲られるそこに歯を立てやすいよう、首を逸らすような真似はしない。もっとも、声を上げることをこんなに拒むのは、その隣の古風なデザインのベビーベッドで眠っている彼の赤子達の目が覚めてはいけない、という親心であって、羞恥ではないのだが。
強く噛み歯型を残して、吸い付き痕を残した場所へ舌を這わせ、今相手にしている感度の良い体に満足しながら、バルドゥインは彼の簡素な寝間着をたくし上げる。彼の体は身長の割りに軽い、体を浮かされる時は耳を舐め、堪らず跳ねる調子に合わせて胸元までたくし上げた寝間着の裾を口元に押し付けると、彼はそれを噛んで全てを曝け出す格好になった。下半身の下着は付けていない。
胸に当たるブラジャーの感触が邪魔でホックを外す、母乳の出る体になってかなり膨らんだ胸が、ぷるん、と重そうに揺れて次を誘う。だが今回は此方に用は無い、焦らしながらするするとすべらかな肌を辿り、皮が余ったまま緩んだ下腹に根のように生えた赤紫の線を何度も、ざりざり指でくじると、彼はそれを見られ続ける羞恥に喘ぎを上げる。子を孕んだ証であるそれは、バルドゥインにとってはなんというものではないが、子を産み落とした後も一生消えない痕であるということが彼の中、未だに真新しい爪痕となっているらしい。
「じゃ、いくからな」
もう芯を持って勃ち上がりつつあるそこを握りこむ。ひゅっ、と彼が息を呑んだのが伝わるぴくぴく血液の流れや鼓動と共に伝わり、彼の尻に当てられたバルドゥインのものまで硬くなってくる。何も言わず彼は頷き、夫の手の中に収められたそこを見て、今正に愛する人に急所を完全に掌握されているのだという意識に被虐的な快感を覚え、口内に溜まった唾液を飲んだ。
バルドゥインは合意の合図を受け取ると、柔らかく平で扱き、青く節のある指を何度もカリ首を絞めるように往復させ、その動きに合わせてぷるぷる震える彼の胸に触れてしまいそうになりながら、衝動を抑えて首元へ立てる歯を強くする。皮擦れの音に徐々に水音が混ざり、塗りたくるように撫で上げ、先の柔らかい部分に指を当てた。
「いっ、んっ……ん、んん、んー……」
「その顔、すっげー…やらし……」
指の間から見え隠れするものは、彼の白と血で構成された儚げな容姿とは裏腹に、太さは人並みだが長さならかなり立派な部類のもので、しかし、それなりに場数を踏んでいるというのにバルドゥインのもののように黒ずんではいない。それが色素が沈着しないという稀有な体質上、仕方が無いとはいえ、こうしていざ触り、少しだけ捲れた赤く浮きぼりになって見えるの尿道を虐めていると、どうしても可愛らしく感じれてしまう。
ぱさぱさ鼻先に当たる髪がくすぐったい、捕らえる歯を動かすことも出来ない程度に振られた首は、熱にうかされたバルドゥインの言葉に羞恥を覚えたからか、我が身の快楽を否定しようとしたからか、いっそ次へ進むことが出来ないもどかしさに悶えているのか。追い詰める為に上から下へ、親指と人差し指で小さめの輪を作り、粘膜を捲り上げてしまうよう強く押し付けるように扱くと、期待したような高いそれこそ出はしなかったが、弱々しくしゃくりあげるそれは聞こえた。
「ほらほら、イキたかったら強情張らずにイッちまえって……!」
唇を離し、ホワイトデーは三倍返しだろ、とバルドゥインは甘く囁く。また掻き分け耳内に熱い塊がが侵入する快感、体の奥まった部分に愛する人の脆い部分を受け入れる悦びに、女性の部分や後ろでなくとも受け入れているという事実の後、熱される体とは別の冷えた落胆、彼の白い足首がシーツに強く突っ張る。血流を意識した所為か、痛みはもう大分薄れていた筈のそこが異端だよう感じ、眉を寄せた。
彼の膣は幾ら彼が歳相応にしては成長が早いとはいえまだ幼かった、子を産む為の産道にするには小さく狭すぎて、我が子が苦しまない為にも会陰切開を行うしかなく、未だそこには薄皮が張っただけの傷があり、夫を受け入れる事は出来ない。本来ならバルドゥインも今日という贈り物を贈る日に、それじゃ赤ちゃんをプレゼントしてくれよ、程度のことは言いたかったのだろうから、それが出来ない、快感の共有すら出来ない自分に強く歯を食い閉め、咽び泣く。
朱の差した頬、握りこむものが限界まで張り詰め、強く脈打つ感触にバルドゥインは彼の限界を察する。白い睫毛が震える様子は、まるで最初に出会った時に感じた作り物じみた印象は無く、必死で自分の与える生きた精をもがきながらを受け入れ、それを与えられた悦びを全身で伝えようとするようで、何よりも美しく感じた。どうればそれが伝わる。そう、快楽ではなく何か別の苦しみに歪められた眉を見て、バルドゥインは手を動かす。
抉るように爪先を尿道に食い込ませる、目の前が炸裂するような痛みと共に、細い体が今までになく強く震え、青い手の平の中で限界まで張り詰めたものが一瞬更に膨らみ、彼の喉から低く腰に響く雄の呻きが上がり、長く尾を引きながら射精をした。熱くぬめる精液が濡れた音を立て、手に篭る熱と薄っすら黄色味掛かったそれは見るからに濃く、意図せず禁欲状態にあった彼があれから一度も射精していなかったのだと物語る。
「はーい、これで初めてのおてて射精頂きましたー…て、あと二回なv」
そういえば自分は彼を手でイかせたことがない、それが今回の受け取り物の正体、立派に用意されたホワイトチョコレートは床に投げ出され、その内誰かが気が付き次第食べるだろう。大きく寄り掛かられて歯が外れ、髪がバルドゥインの頬を撫でた。歯の外れた箇所が、じんじん熱を持って疼き、それが余韻となって全体に広がる。
酷く生々しい色とにおい、そしてむせ返るような精、手の中のそれはとても彼が体内で作り、出した体液とは思えないが、肩で息をしながらも頭の何処かが冷える男の絶頂感の証として彼の瞳は未だ赤茶のままだということが、手の中に張り付き零れないそれにも、立派に女を孕ませる能力があるのだということに妙な信憑性を持たせた。
手首に何かが垂れたのをバルドゥインは覗く、つぅ、と乳首から僅かに筋になって垂れた白い、母乳。雄を匂わせた次の瞬間は母が香る、バルドゥインはそれを指先で掬い、舐め、なおもとろとろ母乳を垂らす赤い乳首に指を当て、掬い取る。その刺激にひく、と体が跳ね、夫が腕を動かした所為で苦しくなって我に帰ったのか、やっと意識を戻した彼が必死で腕の中で抵抗を始める。突然の抵抗にバルドゥインが驚くと、いやいやともがく彼は、夫の胸に頭を強く押し付け涙を零す。
「バルドがきもちよくならないのやだぁ……っ」
口元に咥えられていた裾が落ち、黒い布に母乳がじわり、と滲んで色を濃くする。なんだ、立派に必要な物は解っていたんじゃないか、と自分の心を読み透かしたような言葉と、腕に掛かった震える指が健気に思えて、バルドゥインは髪に唇を埋め、そっと白糸を掻き分けた先にある薄い皮膚を吸った。こんな場所にも痕は付く、弱い皮膚が鬱血する感覚。抵抗を宥めるようなそれに彼は夫の硬いものが当たる感触に、それが自分に見せる愛を思い出し、小さく喘ぐ。
拘束していた青い腕が解かれ、白い体から胸に張り付いた濃い黒が剥がれた。じりじりと弱い痛みを快楽として訴える首を捻り、かくかく震える足で彼はバルドゥインに四つん這いの体勢を向ける。バルドゥインも自分の妻が今から何をしようとしているのか解った、予測通り、窮屈になって先に染みを作ったそこに顔が埋められようとし、青い腕は彼の肩を掴む。許しを乞うような赤茶の瞳。
「ヤるならお前が俺の顔の上にあそこ置いて、お前が俺のを咥えて……な?vV」
空いた手の平で気を使っているとはいえ未だ零れない精液、手の平のそれの人でも解るのではという程に濃い精と酷く生々しい有り様を見せ付ける為に彼の前へやり、汚してしまった手指を掃除をしようと赤い舌を伸ばす様子をからかうように腕を引っ込めバルドゥインは、しまったこいつは互いに初めてだ、と軽く笑って青い舌を絡める。赤い瞳、赤い眦が裂けた。
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